TUBERS

”ホテル代にタダで泊めるよう要求した厚かましい女性YouTuberがいる” として
日本でも話題となったこちらのニュース。
果たして、本当に彼女は常識外の要求をしていたのか？
ホテル側のポール氏の動向と共に紐解いて行きます。

実際には報道で見えない彼女と彼の”素顔”があった

『宣伝するからタダで泊めて』 最近、この言葉でホテルとバトルしたイギリス人女性YouTuberが
センセーショナルに各国のニュースで取り上げられ、話題となった。

騒動が明るみに出た1月26日、
渦中にいたのは22歳のエレ・ダービー（Elle Darby）氏と
ホテルを経営するポール・ステンソン（Paul Stenson）氏。
ホテルはアイルランドにある『シャーヴィル・ロッジ・ホテル ダブリン（CHARLEVILLE LODGE HOTEL Dublin） Dublin）』。

ことの発端は、
当時のYouTubeチャンネル登録者数約87,000人のエレ氏が送った
『ホテルを宣伝するので、彼氏とバレンタインを過ごせるよう2/8~12の間
無料で4泊できませんか？』
というメールだった。

それに対し、ホテル側のポール氏は
彼女の名前を伏せた上でFaceBookにアップロードし、
https://www.facebook.com/WhiteMooseCafe/photos/a.1626436094303667.1073741828.1623682991245644/2048405988773340/?type=3
全面的な嫌悪感の表明と共に
最後にはこのような回答を世間へ公言した。
『平等に金銭を支払おうとしない全てのブロガーは、私たちの敷地へ出入りを禁じます。』

彼の投稿はすぐに炎上し、賛否両論が巻き起こった。
最初は伏せられていた彼女の名前もすぐに特定され、
彼女も自身のYouTube動画において次のように反論した。

『このようなプロモーションの提案は現代において当たり前なのに
私のメール文面は許可なく晒され、今とても不安だし悲しい気持ち。
おかげで私にも沢山のバッシングコメントが届いており、
これは暴力（いじめ）に他ならないわ』と話した。

しかし、注目すべきはその後の流れ。

・ポール氏が作りFaceBook上で公開した
”彼女を取り上げたことで20の国で114記事に特集され、450万人に読まれたであろう宣伝費の請求書”。

つまり、自分のおかげで彼女はYouTuberとして有名になったのだから
彼女が我がホテルへ宣伝費を払うべき、
との主張である。

※日本円にして2018年1月30日のレート換算：1ユーロ134円として総額7億872万円の提示。

ん？　なんだか雲行きが怪しいぞ…。

更に次の動画は、ポール氏のYouTubeアカウント（※現在の登録者数7600人）で公開された今回の騒動がモチーフの記者会見パロディ。

極めつけはこちらも公開！

・ポール氏が作った
YouTuberを挑発するグッズ（Tシャツ）

・ポール氏がFaceBookに投稿したTシャツの売り上げでNY旅行へ出かけた時の写真

つまるところ、ポール氏は大変楽しんでおられるご様子。

▶ 結局、彼女の要求は常識外れだったのか？

ということで計算してみると…

当編集部でポール氏のホテルの宿泊費を
2018/2/8-12の4泊で大人2名（ダブルまたはツインルーム）として料金を調べた所、
52,727円であることが判明した。
そしてこの事件、今はニューストピックに『YouTuberが～』と書けば
記事が注目されやすい背景もあってか
彼女のYouTuberとしての顔のみ強調されている記事が多い。

ところが彼女、実はInstagramにもフォロワーが当時で76,000人いた。

※エレ氏と彼氏のツーショット。
つまり、当時の登録者数87,000のYouTube＋フォロワー数76,000のInstagramへの
投稿を52,727円の宿泊費と引き換えに行うというのは決して法外な条件ではない。
彼女から提案しているにしても業界的には比較的安いレベルだ。

もちろん、ホテル側のポール氏も求めていないPRの提案に関し
過去に同様のメールが多くうんざりしていたのかもしれないし、
単純に彼女のメールが気に入らない文章だったのかもしれない。

が、宿泊費ゼロでPRという提案は数字上では決して高くない対価であり、
彼女は特におかしな交渉をしてはいなかったことが分かった。

▶ ところで、一連の世界的報道によって

どれほど彼女にフォロワーが増えたのか？

騒動前に彼女のYouTubeチャンネルが持っていた登録者数は当時約87,000。
Instagramは当時約76,000で現在は約95,000。
その差、合わせても約42,000。
世界的に炎上したわりにはあまり増えていないことが分かる。

むしろこの42,000のフォロワー増（なお全てが騒動の反映分とも限らない）に対し
7億872万円を請求できるポール氏の悪ノリっぷりが
メディアで報道されない点においては、YouTuberという職業が損をする側かもしれない。

今回のまとめ
✅YouTuber側のエレ氏は変わらず元気。
✅ホテル側のポール氏も彼女との接点を機にとても楽しんでいた。
✅やはりネガティブな炎上では大してフォロワーが増えない。

最後に、1月29日に公開されたばかりの彼女の最新動画を見てほしい。
ファンに向けて自身の登録者数10万人突破を祝っており、とても元気そうだ。

ほんの10年前はインフルエンサーマーケティング業界が
存在すらしなかった事実を踏まえると、
こうした衝突をきっかけに問題突起されるのは理にかなってると言える。

今後も変化し続ける業界の動きに注目だ。

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＊　編集部より　＊
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