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遺体動画で世界規模の大炎上、ローガン・ポール氏のその後の展開と損失【炎上案件2018 vol.3】

言わずと知れた、青木ヶ原の樹海で撮影した遺体動画を投稿し世界的に大炎上したアメリカの人気YouTuberローガン・ポール氏(22)。

loganpaulの画像

彼は(色んな意味で)今もっとも注目されるYouTuberの一人であり、Youtubeのチェンネル登録数は16万を超え(2018年2月現在)、投稿動画の総再生回数は30億回を超える。

動画には、例えば「FAKING MY OWN DEATH PRANK! *crazy reaction!」(「俺の殺人事件を撮ってみた! 注目のリアクション!」、再生回数2300万回以上)など、過激な釣りタイトルで、ラップ調の音楽が流れ、ポール氏の悪ふざけの様子が映し出されている。

世界規模の大炎上、その後の展開

日本に来日したポール氏は、ホテルの壁に柿を投げつけたり、築地市場で小型運搬車やトラックに勝手に乗ったり、渋谷のスクランブル交差点で生魚とタコを持って殴り合ったり……数々の迷惑行為を繰り返した後、ついに、青木ヶ原の樹海に立ち入って自殺者の遺体を発見し、それを笑い飛ばすモラルの欠片もない動画を投稿し、大炎上。

ポール氏は謝罪の動画もアップロードしたが(再生回数は現在5000万回を超える)、その広告収入で7000ドル〜5万6000ドル稼いだと米Webサイト「We The Unicorns」は報じた。

ハリウッドスターなど著名人ほか、世界中が憤りの声は収まらず、ポール氏のYouTubeアカウントを削除するべく署名活動に発展し、2018年2月現在60万人の賛同を得ている。

ポール氏はその後、広告なしのこれまでの彼の作風とは全く異なる、自殺予防を啓発する動画を投稿し、自殺予防ライフラインに100万ドル(約1億1000万円)を寄付することを表明、「これは始まりに過ぎない」と締めくくった。

ローガン・ポールが失ったもの

多くの署名が集まる騒動の最中、YouTube運営はTwitterで「動画を見て、わたしたちも多くの人たちと同じく動揺しました」とコメント。まるで他人事のようなコメントに不満を抱いた人から、抗議が殺到。結果、YouTubeはグーグルプリファード契約(YouTubeで最も人気の高い上位5%の投稿者のビデオに広告が出せるよう、企業に枠をパッケージ販売する仕組み)を打ち切り、ポール氏と共同開発していた独自コンテンツについても、保留にした。

しかし、この処分はポール氏の収入にはそれほど大きな打撃は与えない。Forbesによれば、ポール氏の2017年の年収は1250万ドル(14億円)で、そのうちYouTubeの広告収入の割合は4分の1程度。今回の措置により、広告収入は減少するものの全て消えるわけではなく、独自コンテンツのギャラも25万ドル程度で、ポールが失う金銭的な損失は300万ドル以下。

ポール氏は収入の大半をナイキやペプシなど企業との広告契約で得ており、さらに、彼のオリジナル衣料ブランド「Maverick」は月に数百万ドルの売上を上げている。

ポールが今回の件で失った、「経済的な損失」はそこまで大きくないもの、世界中から批判の声と60万人の署名を集めた「社会的な損失」は大きいだろう。

それでも根強いファンたちの存在

ポール氏の数々の悪質な行為に対して、批判の声が殺到した一方、10代の若者を中心に彼を擁護する声も上がっていた。

「あなたを擁護せずにはいられない。あなたはこの世界で私の好きな人…今も、これからもずっと好き。この先何をしようとこれまで何をしようと正しい」
「あなたはきっとこれを乗り越える。みんながローガンを愛してる」
「自分は今もMaverick(彼が立ち上げたブランド名で「わが道を行く一匹狼」の意)の一人だし、何があってもそれは変わらない」

Twitter上ではこれらのコメントに「#logang」(彼のファンを意味する言葉)を添え、結束の意思を示す人も多い。

YouTuberが中高生の将来なりたい職業のトップにランクインする時代。6秒動画Vineの時代から身体を張った“悪ふざけ”動画を投稿し(それらはどんどん過激になるが)人気を集めてきたポール氏が、若干22歳にして、YouTuberとして世界に名を馳せ、年収14億を稼ぎ、ロレックスを身に着け、豪邸で暮らす。自らのファッションブランドを立ち上げ、映画に出演し、ドバイのショッピングモールで1万1000人を集めてファンイベントを開く。

そんな彼に憧れ、尊敬の念を抱く若者たち、根強いファンの存在が、ポール氏を支えている。

そんなファンの存在に甘えてか、ポール氏は、一連の騒動の後も懲りずに、池から掬った魚に心臓マッサージをしたり、ネズミの死骸に電気ショックを与えたりする動画を投稿し、また非難の声を浴びた。

この懲りない態度を見かねて、ついにYouTubeはポール氏の広告掲載一時停止に踏み切った(2018年2月9日発表)。

表面的な謝罪で悪質な投稿を繰り返せば、ポール氏の大きな収入源となる企業などが契約を解除する可能性だってある。「成功者」から転落するようなことがあればファンだって離れていくかもしれない。

今後のポール氏の行動、そして世界の反応には、これからも目が離せない。

まとめ
✅道徳・倫理に欠け懲りない悪質な投稿にYouTubeが広告一時停止に!
✅ポール氏の損失額は現時点で約3億円(300万ドル)だが、今後も増大する可能性あり
✅態度を改めなければ、企業との契約やファンとの絆が切れることもある!?

(Rurika Toku /クリニン編集部)

* 編集部より *
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